単純接触効果と広告の関係性

単純接触効果(ザイオンス効果)
単純接触効果は、何度も目にしたり、音を聞いたり、何度も触れたりすることで、
好意が無意識的に発生していくゆう心理作用。
マーケティングをやられている方なら、だれしもが、この単純接触効果を活用しようと思ったり、マーケティングに活用できるのかどうかを調べたことがあると思います。
筆者の私も、約15年間webマーケティングの研究をしていて、いろいろな会社・ブランドとお仕事をさせていただきますが、
この単純接触効果を活用して、売上をスケールさせていルブランドは少なく、また誰しもが知るようなブランドのブランドマネージャー・マーケターですら、単純接触効果を正しく理解していない人も多いと感じています。
この記事では、単純接触効果をどうマーケティング・広告に活用すればよいのか、効果がでないときはどんなときなのか、について情報をまとめたので、ぜひ参考にしてください。

単純接触効果が起こる原因を、学術的に解説

単純接触効果については、毎年相当な量の論文が発表されています。
ほとんどの論文で言及されている単純接触効果が起こる原因は以下のような内容でまとめられる。

刺激への単純接触効果によって、
刺激に対する知覚情報処理レベルでの処理効率が高まり、刺激に対しての促進効果が生まれ、
刺激への親近性の高まりが、刺激自体の好ましいと錯覚してしまうために高感度が情報する

難しく書いてありますが、要は、単純接触効果が発生する原因は、何度も接触することで、親近性・情報処理効率が高まったことで
刺激への情報が多くなるために、この刺激が自分にとって好ましいものだと錯覚してしまう
、ということです。

好意度が高まる原理

好感度が高まる原理としては、興味深い内容があったので紹介します。

好感度・好意度の上昇には、知識表象の形成過程やその結果としての概念構造のあり方が関わると考えられているようです。
色々な論文を見てみましたが、知識表象の形成や概念構造のモデルについては、未だに一致した見解が得られていないようなのですが、
代表的な概念構造モデルとしては、プロトタイプモデルと、範例モデルのふたつあり、それぞれ以下のような概念です。

プロトタイプモデル:概念は典型的な特徴を要約したプロトタイプを中心にして体制化される
範例モデル:概念は要約的な記述を作らずに個々の範例によって表現される

単純接触効果と概念構造の関係に関する実験

論文より引用
シーン画像や次元を統制した絵画刺激の形態的類似性に基づいた典型性の操作を行い,それらを様々な条件下で
用いて以下の 2 点を示した。
同一概念に属する様々な刺激を反復呈示することにより,概念内に典型的表象としてのプロトタイプが形成される.
第 2 に,概念共通特徴を多く有するプロトタイプとの類似性の高い典型的刺激は,既知性が高く,安心
感を生じさせるために好意的に評価される.この結果は,反復呈示によって形成された知識表象(概念
構造)は,範例モデルと比べてプロトタイプモデルと適合することを示唆する.しかし,呈示刺激の次
元の組み合わせをランダムにして具体的な範例記憶のない条件で実験を行った場合,典型的刺激に対す
る肯定的評価傾向が消失した.よって,反復呈示によって刺激に対する好意度を高めるには具体的な範
例記憶が必要であることがわかる2).
=======================
1) プロトタイプ理論では概念表象が中心傾性からなると想定されているが,この枠組みでは各事例の持つ多くの情
報が捨てられる.一方で範例モデルでは情報の般化は検索時に行われるので,各事例は範例として保持されるた
めにそれらについて捨てられる情報が無く,プロトタイプモデルよりも多くの情報を保持できる.情報の保持とい
う観点からは,範例モデルはプロトタイプモデルよりも概念の構造を説明するモデルとして適合的である.また
範例モデルでは,プロトタイプモデルでは説明困難であるアドホック・カテゴリー (Barsalou, 1982, 1983) や文
脈効果を再現することが可能となる。
しかし,範例モデルでは学習時には情報の統合は行われない。人間が検索時には起き得ない情報の般化や抽象化を学習時に行うことを示している研究もあり (Oden, 1987),この点ではプロトタイプ理論のほうが適合しているといえる。

難しいことが書かれていますが、
わかりやすい刺激でかつ、覚えて起きやすい刺激であれば、反復して刺激を与えることで、好意度・好感度が高まる、ということ。
また、上記ではプロトタイプモデル・範例モデルだと言及しているが、どちらの見解も状況によってはどちらかが正しく、一長一短あることを述べている。

単純接触効果と広告による認知・効果について

これまで述べたように、同じ広告に繰り返し接触することで、その広告に基づいた商品やサービスの頭の中でイメージを形成し、
広告によって知識が増えたり、記憶が定着したりすることにより、ポジティブな印象がある商品であればあるほど、広告の繰り返しによって『欲しい』という気持ちが発生していく。
また、『欲しい』という感情が生まれなくても、好感度・好意度が上がる理由としては、
『この商品を知っている』という安心感が生まれるためであり、この感情が好意度として上昇しているからである。

ここまでの内容で、単純接触効果がなぜ好感度・好意度が上がるのかについてまとめて来ましたが、
実際に、広告などのマーケティングに単純接触効果を活用するにあたり、重要なポイントを以下にまとめました。

①商品名は覚えやすいものでかつ、覚えた商品名が商品の特徴を捉えているものがベスト

例)クレンジングバームDUO、ととのうみすと
上記の例のような商品の場合は、商品の特徴を理解すると、商品自体の品質に好印象をいだきやすい広告をバンバン実施したとしても、商品名が覚えやすく、商品名さえ覚えておけば商品の特徴も想起できるように設計されているため、非常に効果的な広告展開が可能になります。
商品名でそこまでの効果があるのか、疑問に思う人も多いかと思いますが、マーケティングを追求していくと、この商品名の重要性を理解できると思います。

商品名がどれだけ広告の効果を高めるか研究した論文によれば、
広告に記載された商品名の事後典型性(商品名から想起される商品の特徴やイメージ)は、学習時(広告に接触した過程)を通して、
事前典型性(商品ジャンルから想起される商品の特徴やイメージ)が高い商品ほど、広告(刺激)による効果が高まったと結論付けています。

②『この商品知っている』と気づかせることが重要

同じ広告、同じLPで広告を展開しても、そこから学習されて、好感度が高くなることは比較的低ない。
みなさんも経験あると思いますが、「永遠に同じ広告が出てきて、ほぼどんな商品かも記憶している商品でも、購入をしなかった」という経験。
なぜこれが起きるのかというと、認知はしているが、商品の購入までの好感度が形成されていないために起こることがほとんどです。
そこでどんなマーケティング施策を実施すればよいかというと、例えば、今まで実施していた広告とは別に、
youtubeやSNS上で、インフルエンサーを使ったマーケティング施策を実施することで、いろんな角度で商品の特徴や効果・効能などが紹介されることで、今までの知識よりも多くの情報が蓄積されることにより、好感度・好意度が高まり、結果的に『欲しい』という感情を抱かせることが容易になります。
これをうまくマーケティングで実施しているブランドは、当たり前のように売上が伸びています。
要するに、成功するマーケティングは、より多くの消費者の好意度を上げる設計ができていて、その結果として、『欲しい』という購買意欲が高まるわけです。
だからこそ、新しい発見や知識を与えるために、広告の内容の幅もマーケティングには重要な要素になるわけです。

③広告以外の仕掛けがあることが、広告の効果を高める上で重要

そして、広告とは若干違うものになりますが、認知・興味・好意・購入までのフローの中で、雑誌に取り上げられていた・有名人が使っている・楽天のランキングで1位になっている、などの認知によって、『この商品知っている』という安心感と、それを前から知っていた自分に対しての肯定感が促進され、より好感度・好意度があがり、結果購入につながる可能性があがります。
この一連の流れを設計できることが、一流のマーケターと言えると同時に、必ず成功するマーケティングプランがどのブランド・どの商品でも設計ができると思います。

単純接触効果と広告の関係性のまとめ

内容的に難しいことが多かった部分もありますが、
単純接触効果を正しく理解すると、マーケティングにおいて、なにが問題なのか、なぜ結果が出づらいのかを理解できるヒントになります。
今回の内容をまとめる上でなるほどなと思った内容として、『好意度形成』について最後触れて、締めくくりたいと思います。

広告で展開している商品・サービスの好意度・好感度の形成は、
認知から始まり、好意、再認判断、購入意思がそれぞれ線で結びついていて、どれかが掛けたら、最終の購入意思が弱くなるという考え方ができます。

「知っているから、好き」
「覚えているから、好き」
「好きなら、この商品欲しい」

これだけを見ると、認知から購入意思に至るまで、こんな単純ではないと反論がありそうですが、
シンプルにまとめると、上記の内容に尽きると思います。
いかにこのシンプルな感情を、広告を使って消費者に与えるのか。
この考え方をベースに、今実施している広告やマーケティング施策を見直すのも、非常に面白いと思います。

単純接触効果をマーケティングで活用にするには、
覚えやすい商品・サービスでかつ、好意が接触回数によって増えていくことが重要。
この内容もシンプルですが、実に奥が深い心理現象です。

単純接触効果に関連する記事はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました