【31】機長症候群の教訓|影響力の武器(実践編)

1982年にフロリダ空港690便がワシントン DC 近郊で氷の張ったポトマック川に墜落するという事故がありました。
この事故では悲しいことに76名の乗客が亡くなっています。

この悲惨な事故の原因は、ベテラン機長に副操縦士が盲従してしまったことが最も大きな要因として紹介されています。

リーダーの地位や専門性が非常に強く、周囲の人に影響を与えていることを、リーダー自身が見誤ることがいかに多いかを示す典型的な例である、と述べられています。

このような行動パターンは貴重症候群と呼ばれており、貴重な明らかな判断ミスに副操縦士が受け身の対応しかせず、致命的な結果に至ることから、そう呼ばれているそうです。
機長の明白な過ち誰も出さなかったために起こってしまった悲惨なケースは、世界でいくつも存在しています。

この機長症候群は、航空業界に限ったことではありません。
ある研究では、資格や経験のある看護師が、一旦ボスである担当医師が絡んでくると、患者に対するプロとした責任を放棄してしまうことが明らかになっています。

このようなことが、本当に起こってしまうのかを調査するために、
以下の実験結果が紹介されています。
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ある入院病棟の22のナースステーションに電話をして自分がその病院の医師だと告げた上で、特定の患者にアストロゲン薬剤を20mg 投与するよう看護師に指示し、どれくらいの看護師が疑問を持ち、電話をかけて来た意思に質問をしてくるかを調べるというものです。
実はこのエストロゲン薬剤というものは、病院での使用が未許可であった上に、20mgという処方は、通常の一日分の2倍に相当する量のものでした。
にもかかわらず 当店なんと95%のケースで、看護師はただちに薬品棚からこの薬を取り出して病室に向かおうとしたのです。
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実験結果における結論は以下のとおりです。
スタッフが揃っている医療チームでは知的専門家集団が最善の判断をなすべく協働していると考えがちですが、よく調べてみると役割を果たしているのはその中の一人だけなのです。(今回のケースでは、担当医師)

要するに、上からの指示・命令が現場に入ってしまうと、
自分よりも権威も、権限もある人間の発言だからこそ、責任を放棄してしまうということです。
これが意味することは、リーダーが良かれと思って、「今回はもっと○○すべきではないのか?」という問いかけが、最終の”結論”になってしまうリスクがあるということです。
私も、このようなケースが多々あります。

だからこそ、今回の記事の内容を参考にリーダーとして助言する場合は、
「△△の状態がゴールだとしたら、具体的にどういうことを実施すれば良いかな?」などと問いかけたほうが、良いということです。

本書ではこのように書かれています。
リーダーがチームのメンバーから意見を聞くのを怠り、メンバーがリーダーに意見するのを怠れば、悪循環が起きて意思決定に支障をきたし、選択を誤って、避けられるはずの間違いを犯すかもしれない。
どんな業界でも、豊富な知識を持つスタッフからの意見を歓迎するような、協力に基づくリーダーシップこそが、この悪循環を断ち切る鍵となります。
リーダーは自分のうぬぼれを確実に”捨てなければいけない”。

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