【29】さりげなく能力を際立たせる・ティーアップする方法|影響力の武器(実践編)

あなたが普通の人なら、自分の知識に自信があるときは、皆にその事を言いたくなると思います。
けれども、例えあなたがその道の専門家だったとしても、次のようなジレンマを乗り越えなければなりません。
・他の人に専門知識を披露して認めさせようとすると、逆に自慢好きのうぬぼれ屋だと思われてしまう
・逆に嘘っぽく聞こえる

このような心境を抱いてしまうと、相手はあなたのことをあまりよく思わない可能性が高くなるだけでなく、 提案やアドバイスに従うかどうかも怪しくなってきます。

人がスムーズに、より自然に「この人の話なら聞いてみるか」と思ってくれるには、
自分の代わりに、誰か他の人に自分を紹介してもらうことが重要です。

この方法は、昔から講演者、作家、アーティストなど公の場で話をする人たちはよく使っている手法です。
いわゆる、ティーアップというテクニックです。

誰かに頼んで自分の専門知識や資格について伝えてもらうのは、驚くほど効果的な方法なのです。
紹介された側は、話に引き込まれ、あからさまな自己宣伝によるデメリットも避けられるのです。
理想的なのはとても心からあなたの技術や知識を信頼してくれている人がとって自ら進んで、あなたが大変優秀な人でお腹の役に立つことをみんなに説いてくれていることですが、そういう人がいない場合でも、別の人を雇ってでも、他の人からの紹介は非常に効果的な影響を与えることができます。

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心理学用語では、「根本的な帰属の誤り」
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人が誰かの行動を観察する際は、相手の行動に影響を与えている状況的な要因(例えばお金など)には、あまり注意を向けない現象のことを指します。

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カストロ実験の概要
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実験内容は以下のとおり。
①デューク大学の心理学を専攻する学生51名(男性36名、女性15名)が参加
②被験者は、キューバの指導者であるフィデル・カストロ(Fidel Castro)に関する2つの文章を読むように指示される
③文章は、カストロ政権への賛成派と反対派のものが1つずつ用意された
④文章の書き手に関する情報として「書き手が賛成・反対の立場を自由に選択できる状況だったか否か」の2つの条件が加えられた
⑤参加者を2つのグループに分け、一方のグループには「書き手は本人の自由に文章を書いた」と伝え、もう一方のグループには、「書き手は教師によって賛成(あるいは反対)の意見を書くよう指示されていた」と伝えた

実験結果は、以下のような内容になりました。

①「書き手は本人の自由に文章を書いた」と伝えられたグループには、文章の作者は自由意思に基づいて文章の内容を決定していると被験者に伝えられているため、被験者たちが、書き手がカストロに賛成していると推察することは理にかなっている

②しかし、「書き手は教師によって賛成(あるいは反対)の意見を書くよう指示されていた」グループにおいても、賛成の文章を書いた人物は実際にカストロに賛成している、と多くの学生に評価された

つまり、書き手は教師の支持のためやむを得ずに(彼がカストロに反対しているとしても)カストロに賛成的な意見を書いたという背景を説明されたにもかかわらず、被験者は「書き手はカストロに賛成している」と捉えてしまうことが示されました。

この実験結果から、ジョーンズとハリスは、以下のようにまとめています。
①人間は他者の行動の原因について検討するときに、その人の置かれた状況(外的要因)よりもその人の性格や思想(内的要因)に原因を求めてしまう性質をもっているのではないか?
②言い換えれば、他者の行動については、第三者から見てもその行動が状況や環境によって生じた行動とわかり得る場合であっても、その行動の原因は内的要因に帰属されてしまう
③つまり、人間は他者の行動の原因を、正確に推測することが苦手である

この実験から根本的な帰属の誤りに犯されると、他者を正しく理解せず、見かけで理解してしまうことに繋がることを指摘したのです。

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他人が売り込んでくれたほうが好意的である
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また別の実験では、参加者たちに、自分が出版社の就任編集者で大物作家の担当だと想像してもらい、前払い契約に関する抜粋を読んでもらいました。
一方のグループは、その作家の業績を代理人が派手に書き上げたものを読み、もう一方のグループは同一の文面を作家自身が書いたものを読みました。
結果は活動を裏付けるものでした。
あらゆる点、特に好ましさの点で、作家が自画自賛した場合よりも、代理人が売り込みをした場合の方が、その作家に対する評価はより好意的なものになったのです。

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電話での問い合わせでも、有効に活用している例
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本書ではこのような内容も紹介されていました。

ある賃貸物件を紹介する会社の事例です。

賃貸情報を求めている顧客に対して、
「賃貸に関するお問い合わせですね。それでは、サンドラにお繋ぎします」
という内容から、
「賃貸に関するお問い合わせですね。それでは、サンドラにお繋ぎします。サンドラは、賃貸物件を専門に取り扱う15年以上のベテランなので、きっと満足するような物件を紹介していただけると思います」という内容を付け加えたという内容でした。

その結果、 受注件数が格段に増えたと紹介されています。

この場合も、以下の内容がこのようなメリットをもたらしています。
①受付係が本当の経歴を伝えるいるため、受付係と担当者自らがいう経歴にギャップがないため不信感がない
②同僚からのティーアップではあるが、紹介されたサンドラには有利な印象が働くが、同僚からのティーアップが”やらせ”のような負の感情を抱くことがない
③無料でできて、経費がかからず、すべての顧客に対して同じことが展開できる

特に、今回の記事の内容で重要なポイントは、②の部分であり、
このような状況では、顧客は不信感を抱かずに、良い担当者を紹介してもらったというポジティブな印象をいただく、ということです。

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さり気なく、自分のティーアップをする方法
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だれかに紹介してもらうことができない場合でも、さりげなく、自分の権威や専門性を上げる方法があります。

それは、資格証明書や、免許状などを、相手に見えるところに置いておくという内容です。
今の時代では、フォロワーの数とかが証明書に近いものがありますし、書籍が出版された事実があれば、それをさり気なく見せてあげることも有効に自分のティーアップができます。

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