【25】フランクリンから学ぶ説得のコツ|影響力の武器(実践編)

1706年生まれのベンジャミンフランクリンは作家、政治家、外交官、科学者、出版者、哲学者、発明家として一流だったことで有名です。
そんな彼ですが、驚くべきことは、相手に迷惑をかけることで自分の敵から尊敬を勝ち取る方法を発見したということです。

彼がペンシルベニア州議会議員だった時に、別の議員から激しい敵意を向けられ、困り果てたことがあったそうです。
しかし彼はある手法を行ったことで、その人物から尊敬と通って更には友情まで勝ち取ることができたそうです。
その手法が以下の内容です。

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私は彼に媚びへつらうってまで気に入られようと思っていなかったが、しばらくして、次のような方法を試みてみた。
私は、彼の蔵書の中に大変興味を惹かれる希少本があることを人づてに聞き、彼に手紙を出して、是非その本を見たいので何日が貸してもらいたいと頼んだのである。
彼はすぐにその本送ってくれた。 一週間ほどしてそれを返す時にはまた手紙を添えて、どれほど感謝していて、嬉しく思っているかを伝えた。
すると、次に議会で会った時、それまで一度もそんなことはなかったのに、彼は大変礼儀正しく私に話しかけてきてくれたのだ。
それ以来、彼はいつでも私の味方だと公言してはばからず、親友同士となって私たちの友情は彼が亡くなるまで続いた。
昔からの格言に次のようなものがあるが、この話はその良い例と言えるだろう。
『あなたが恩を施してあげた人よりも、あなたに恩を施してくれた人の方が、頼みを聞いてくれるものだ。』
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恩を施すより、恩を施してくれた人のほうが、好意的に思ってくれる
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前述のように、フランクリンが敵対視された人物に行った行動が、本当に効果的であるかどうかを調べる実験が、本書では紹介されていました。

実験内容は以下のとおりです。

実験参加者たちはある競争に勝って、実験者からお金をもらいました。
その後で、実験者が半数の参加者に対して、そのお金は自腹で払ったのだが手持ちがほとんどなくなってしまったので返してもらいたいと頼んだところ、ほとんどの人が同意してくれました。
それから、参加者全員にその実験ショーどのくらい好意的に思うか匿名で答えてもらった、というものです。

実験結果は、お金を返すよう頼まれた人達は頼まれなかった人たちに比べると、実験者のことをより好意的に見ていることがわかりました。

なぜこのようなことが起こるのかというと、
人は自分の行動と自分の考え方の間に一貫性がないと困るから、です。

今回の実験では、お金を返すように頼まれた人たちは、自分の行動に理由をつけないと合理性がないため、
「実験者の人が性格が良さそうな人だったから」などの理由をつけて、自分の行動をより肯定しようとしたために起きた心理と言えます。
いわゆる認知的不協和とも言えます。

好意を抱いてほしい相手に恩を施すことで得られる効果が「返報性の原理」ですが、
好意を抱いてほしい相手に、恩を施してもらうことで、「一貫性の法則」から「ポジティブな認知的不協和」が発生し、
好意を抱いたということです。

高等テクニックですが、より嫌いな人に、何をお願いすることで、ポジティブな認知的不協和を作り出し、
誠心誠意の感謝を伝えることで、「返報性の原理」が働き、ぐっと好意を抱いてくれる可能性が高くなるということが分かります。

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恩を施してもらって、最高の感謝を述べればリピート率も上がる
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人間関係で応用することはイメージできると思いますが、この内容をマーケティングに活かすとすれば、
CRMなどによるリピート率アップにもつながるはずです。

私が実際に行ったリピート施策では、
購入者に対して、レビューを書いてもらうことをお願いし、
レビューを書いてくれたユーザに対して、感謝のメッセージと、粗品を送ったことで、
レビュー記入者のリピート率が、レビュー記入していないユーザに比べて約2倍もリピート率が高かったという事例もあります。

今回の記事をまとめながら、人の行動を、心理学用語で整理していくと、理にかなったマーケティングが存在するということが証明されると同時に、心理学・行動経済学の奥深さを感じました。

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