【22】人を目標に結びつける積極的コミットメント(コミットメントの威力)|影響力の武器(実践編)

アムウェイはアメリカで最高収益を誇る直販企業の一つですが、販売スタッフの成績を上げるための仕組みもしっかりと備わっていると、本書で書かれています。
その一つとして、販売スタッフへのアドバイスを、次のようなアドバイスをしています。

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最後にもう一点。 目標決めてそれを書き出してください。
どんな目標であれ、大事なのは自分で決めたゴールに向かって進むこと。そしてそれを書いて形にしておくことです。
文字にして書き残すと不思議な力が生まれます。 ですから目標を決めたらそれを書き出してください。
その目標を達成したら、次の目標を決めてまたそれを書いておきます。
きっと幸先良いスタートになるでしょう。

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ここでのポイントは、自分で書き出した目標は、他人に見られるわけでもないのに、
自分が目標を書き出したことで、『コミットメントの強化』に効果を発揮するということです。

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自分が書き出した目標が、「コミットメントの強化」に効果を発揮する理由
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人は自分の行動を振り返ることで、自分自身に対する見方を決めていて、
行動を起こさなかったときの自分の行動よりも、実際に行動を行った自分をより重視するからだそうです。

例えば、なぜ自分はこの会社で働きたいのか?を考え、自分はこの会社でなにを成し遂げたいのか?を書き起こすことで、
より積極的に仕事に対する行動が変わる、ということが言えると思います。
実際に私も、様々な部下を抱えていて、クライアントも多く、様々なプロジェクトに参加していますが、
関係メンバー各々が、高いモチベーションを持って仕事に取り掛かっているかと聞かれたら、NOと言わざるを得ない状況のプロジェクトが大半です。
いくら、プロジェクトのリーダーが高いモチベーションを持ち、指揮をとったとしても、なかなか続かないですよね。
そんなときに、今回の例のように、各メンバーそれぞれに「このプロジェクトでの目標はなにか?」を紙に書き出してももらうことで、少なくとも自分の決断・信念を肯定する行動を取ってくれる可能性が高くなると言えると思います。

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事例
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本書で紹介されていた実験内容として、積極的コメントがいかに強力にとってまた巧妙に働くかを示す実験が紹介されていました。

実験の内容は、大学生に対し、地元の学校で開催されるエイズ教育プロジェクトにボランティアとして参加するよう呼びかけるという内容です。
そして、各学生が、積極的参加(積極的教示)もしくは消極的参加(消極的教示)のどちらか一方を受けるようにしました。

①積極的教示を受けたグループは、ボランティアを希望する場合は、『参加希望』と書かれた用紙に記入する
②消極的教示を受けたグループは、ボランティアを希望する場合には、『不参加』と書かれた用紙に何も記入しない

実験の結果ボランティア希望した人の割合は、与えられた教示による同意の仕方が積極だったか消極的だったかでは、差がなかったそうです。

しかし、数日後、実際に会場に現れた人の割合には、驚くほどの差が出たそうです。

②の同意の仕方が「消極的」だった人のうち、約束どおりに来た学生は、わずか17%。
一方、
①の同意の仕方が「積極的」だった人に至っては、約束通りに来た学生は実に49%にもなった。

この実験結果からも、「積極的」なコミットメントが与える自分の行動への一貫性が働きやすいことが証明されたと言えます。

実験結果はもう一つ、面白い内容を残したと本書に書かれています。
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積極的にボランティアに参加した人は、消極的参加の人に比べて、自分自身の性格や思考、理念が自分にその決断をさせたと考える傾向が強いことが明らかになった。
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この内容、すごい面白いですよね。
「ボランティアに参加しなくても良いんじゃないのか」という自分の心の中にいる悪魔のささやきがほぼ全員にあるなかで、
積極的参加の場合は、「ボランティアに参加すべきだ。なぜなら自分で参加すると決めたんだから」という、自分の心の中にいる天使の囁き的なものが、信念へと変化していったということでしょう。
これが、一貫性の法則とも呼ばれる、コミットメントの威力です。

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一貫性の法則であるコミットメントの威力を上げるために、
私たちがすぐに実践できること
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①元旦の抱負を決めて、できるだけ詳細に達成に必要なステップを書き出す
②部下に目標を書いてもらう
③会議の終盤で、出席者全員が、自らのタスクを納期と一緒に共有してもらう
④プロジェクト参加者に、プロジェクトの達成条件・目標・求めることをまとめて紙をよんでもらい、全員から署名をもらう

ここで忘れがちなので、大事なポイントを再度掲載しておきます。
コミットメントは、「積極的教示」であることが最重要で、本人が「消極的」であれば、コミットメントの威力が激減するということです。
例えば、下記のようなコミットメントは、あまり効果を出さないと言えます。
①残業しないために、やれることを書き出してもらう
②恋人に、浮気しないように、約束を紙に書いてもらう

ネガティブな要素をポジティブな状態に変化させるためのコミットメントは、今回の記事のようなやり方では非常に効果がでないと思います。
自分でもそうですが、心のなかではやりたくないと思っている内容を、いくら頑張って目標を掲げたとしても、なかなか継続しないです。
コミットメントの威力は、「積極的教示(積極的参加)」であることが最も重要であることを理解した上で、目標を掲げることが本当に重要なポイントだと思います。

やる気だけは誰にも負けないのに、なぜか行動がついてこない。。なんてときに
今回の記事の内容(一貫性の法則・コミットメントの威力)が、きっと目標達成に向けての原動力になってくれると思います。

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