人によって、理解度が違う理由

私は、様々なクライアントや、マーケッターに対してコンサルや講義をしていて、常に気をつけることは、どんなレベルの人にでもわかりやすい言葉で、理解してもらえるように話すことに気をつけています。
コンサルをやり始めて、「相手が動かないなら、伝わっていないのと同じ」という言葉を、20代前半で理解してから、自分の中では非常に重要な言葉にしています。

そこで、ふと疑問に感じました。
「なぜ、人によって理解度が違うのか?」と。

すごく簡単な解釈で言えば、経験が浅いとか、知識が少ないなどが理由として挙げられると思います。

ただ、これだと、自分が伝えたいことが伝わらないときに、相手の責任で、伝わらないのだと解釈してしまう場合も多く、解決策になりません。
そこで、まず理解しないといけないことが、なぜ「人によって理解度が異なるのか」をしっかりと理解する必要があると思いました。

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人は、自分で自分の世界をつくり上げて物事を理解している
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人はみんな、様々なフィルターを通して物事を理解しています。
同じことを同じ様に伝えても、人によって、理解度が違うことはみんなが経験していることだと思います。

例えば、「この内容、すごい重要だから理解してほしい」という言葉を聞いて、人によって以下の3パターンのいずれかを考えると思います。
①すごく重要なら、しっかり理解しよう
②すごく重要なら、しっかり理解して、自分も使いこなせるようになろう
③すごく重要なら、しっかり理解して、他の人にも教えてあげよう

上記の中で、もっとも理解度が高い人の思考は、③の「すごく重要なら、しっかり理解して、他の人にも教えてあげよう」という思考です。
なぜなら、自分が理解して、人に教えてあげることは、自分が使いこなせるようになるよりも、何倍も難しいことを知っている人の思考だからです。
たった一つの言葉でも、人はそれぞれの思考で、物事を解釈・理解しようとするのです。
だからこそ、上司やコンサルタント、コーチングする立場の人は、相手の理解度を高めるために、話し方や話す内容を変えなければいけません。

そして、この理解や思考がなぜ人によって異なるかを研究した、ノームチョスキー(1957年)の論文で、次のように語っています。
【人が世界を見る時に使っているフィルターは、3つのプロセスを経て作られる】

以下の内容で、それぞれのフィルターがどんなものか解説していきます。

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フィルターを作るプロセス① 削除
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1つ目のフィルターは削除です。
私たちは、当たり前のように必要な情報と、不要な情報を取捨選択して、自分によってより重要な情報を覚えたり、理解しようとしています。
アメリカの心理学者ジョージ・ミラー(1956年)の論文で、こう述べています。
『私たちの意識は一度に7のプラス、マイナス2の情報しか扱うことが出来ない。残りの情報は無意識に削除してしまう』

これは、調子の良いときは9個の情報を扱えても、調子の悪いときには、5個程度の情報しか扱えないということを意味しています。
これ、面白いですよね。
私は、本を読んだら、基本的に1ページで1個以上のアウトプットをしようと心がけているのですが、数ヶ月前に読んだ同じ本の、同じ文章を読んだ時に、
全く違うアウトプットだったり、全くアウトプットできない経験が非常に多かったため、上記の内容は非常に腹落ちしました。

それくらい、注意深く聞いてり、読んでいたりしても、理解度は同じ人でも、時と場合によって、全く異なる理解をしていることを意味しています。
そして、この理解した内容に違いがあるため、人によって、理解度が異なると言えますし、人によって、不要な情報なのか、必要な情報なのかを取捨選択する能力の違いが、
理解度に違いを生むということなのです。

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フィルターを作るプロセス② 歪曲(わいきょく)
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2つ目のフィルターは歪曲です。
私たちは、日々の生活の中で、妄想したり想像(以降、幻想で統一します)を繰り返しています。
この幻想って、人によって様々ですよね?

このプロジェクトが成功したら、本当にあなたのおかげだよ!

と言われた時に、どんなことを幻想するでしょうか?

少なくとも、以下のパターンのいずれかです。
①上司等に、感謝されて、喜んでいる自分
②上司等に、感謝されて、自信をつけてもっと難易度が高い案件にチャレンジしようとする自分
③上記以外

これが、幻想の違いです。
すべての言葉を理解するときに、このように幻想が生まれ、情報が歪曲というフィルターを通して、人によって違うように解釈されていきます。

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フィルターを作るプロセス③ 一般化
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最後に一般化というフィルターを通過します。
一般化とは、「何が正しくて、何が間違っているのか」、「何が可能で、何が不可能なのか」などのことについて、
私たちが無意識に作り上げている、ルールや信念、原則と言ったものです。

例えば、女性に告白しても振られ続けた人は、「自分ってモテないんだな」だと、自分の中でルール(一般化)を無意識に作っているのです。
人は何回か同じような経験をすると、それを一般化して、思い込むようになっていくのが普通と言っても良いでしょう。

この一般化によって、得た情報も、その人のマイルールによって一般化され、ときにはマイルールによって、重要な情報も不要な情報として扱ってしまう場合もあるのです。

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まとめ
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いかがでしたでしょうか?

3つのフィルターを通して、人が理解しているため、当たり前ですが、100%同じ理解になることは確実にないということが分かったと思います。
このフィルターの存在を理解しているかどうかだけでも、相手になぜ理解できないか、理解できるようになったのではないでしょうか?

私は仕事柄、情報をいろんな人にお伝えする立場なので、今回の内容をまとめて非常に勉強になりました。
ぜひ、このフィルターを理解して、人に情報を適切に伝えるための工夫に活かしていただければと思います!

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