バンドワゴン効果(認知バイアス)

バンドワゴン効果とは

行列ができているお店を見て、「この店は人気なんだなー」と思う心理が、バンドワゴン効果です。

バンドワゴン効果は、「人が持っているから自分も欲しい、流行に乗り遅れたくない」と言う心理が作用し、他者の所有や利用が増えるほど需要が増加する心理効果として非常に有名です。
バンドワゴンという意味は、”パレードの先頭をゆく楽器隊(バンド)を乗せて走る大きな荷車(ワゴン)”のことを意味し、ワゴンの後に人々が行列を作った様子から、バンドワゴンを時流・多勢という意味を表します。

バンドワゴン効果は、意味する内容や私たちの実体験からも、馴染みがあり、納得感のある心理作用のため、非常に理解されやすい心理効果の一つです。
だからこそ、バンドワゴンを応用したマーケティングが実現すれば、非常に有効な手法になり得ますが、簡単で単純な心理効果が故に、マーケティングにおいて非常に軽く扱われる心理効果になっていると思います。
そこで、この記事では、バンドワゴン効果に関わる論文から深堀りして考察・応用していこうと思います。


よく比較されるスノッブ効果とバンドワゴン効果の関係性

「バンドワゴン効果」は他者の消費が増えるほど需要が増加する現象、「スノッブ効果」はバンドワゴン効果とは反対に他者の消費が増えるほど需要が減少する現象、
「ヴェブレン効果」は価格が高いなど見せびらかす効果(顕示性)が高まるほど、需要が増加する消費現象を表します。

既存研究によれば、消費者がバンドワゴン効果・スノッブ効果のどちからの行動を選択するかは、当人の性格によって決まると言われている。
ただし、バンドワゴン志向かスノッブ志向かは、直面する状況によって、どちらを選択するか変化すると言われています。
また、周囲の人の採用率や消費者の年齢、収入、製品知識等の変化の影響などからも、、バンドワゴン志向-スノッブ志向間の変移が発生することが明らかになっています。

要するに、バンドワゴン効果とスノッブ効果は非常に密接な関係にいながら、別物として扱われるため、バンドワゴン効果が露骨すぎたり、違和感を感じてしまえば、スノッブ効果に発動し、かえって全く需要がないものになってしまう可能性もあります。

なぜ人は人から影響を受けるのか

人間は一人で生活することができない生き物であり、社会の中で影響を与え合い、受け合うということが考えられてきた。
古くは、Veblen (1899) が、消費者は商品そのものから得られる私的な効用だけでなく、他人からいくらに見られているかという社会的な効用をも消費しているとし、それを「顕示的消費」と呼んでいる。
そして、その顕示性がなぜ発生するのかを数理的に証明したのが、Leibenstein (1952) である。
彼は、同じ商品を持っている人が多いほど効用が増加する場合には正の外部性(バンドワゴン効果)、効用が低下する場合には負の外部性(スノッブ効果)が発生しているとしました。
また、 人間は本来模倣しつつ差別化を指向すると考えられるため、ネットワーク内においては同調への圧力と差別化への圧力が同時に働いていると考えられています。

上記の内容を踏まえると、
人間はもともと、親からの愛情を受けるために模倣し、帰属欲求を満たしてきた背景があります。
そして、帰属欲求の上位欲求にあたる承認欲求を満たそうとする、本来人間すべてが持っている欲求・願望を満たすために、他者とは違う(差別化)アイデンティティを築こうとする行動をとるようになります。
そのため、商品の保有によるアイデンティティの形成を考えると、当人の性格や他者から影響により、バンドワゴン効果・スノッブ効果のどちらを採用するかが別れることにも納得できます。


同調効果とも呼ばれている

バンドワゴン効果は、心理学的には同調効果とも呼ばれ、みんなと同じ行動を無意識に取ってしまうことや、自分の判断に自信がないときや、流行に反応しやすい人ほど同調しやすいことも、様々な実験で実証されています。

例)
3人以上の人が空を見上げていると、そこを通る60%の人が空を見上げる、という実験結果が有名

例)3人以上の人が空を見上げていると、そこを通る60%の人が空を見上げる、という実験結果が有名

また、火事や事故のときに、他人と同じ行動(他の人と同じ方向に逃げたりすること)を取ることも、同調効果の特徴です。

本来、人間という生き物は、独自のあり方を追求するが、他者との関係の中でしか生きられなく、 本質的に社会的存在である、と心理学的には言われています。
(社会的存在とは、史的唯物論で、社会の経済的構造をなす生産関係の総体。)
何らかの組織の中に自らを位置づけることによって、生活を維持し、他者との接触により社会的学習をして成長するという能力が私たち人間には備わっています。
そして、人間の集合体(集団)を形成し、より生存する可能性を高めるために、備わった能力として「より合理的な意思決定ができる能力」があり、この能力を有する人間たちの集合体(集団)が、より生存する可能性を高めたことを人類の歴史から本能的にインプットされているのが、私たち人間たちなのです。
だからこそ、同調効果が生まれる理由としては、私たちが”人間であるから”という答えが最も本質的とも言えるのです。


バンドワゴンのよくある活用方法

私たちの生活の中にも、バンドワゴン効果を狙ったマーケティング施策が多数存在します。

例えば、
テレビのCMでは、
・売上NO.1
・全米が泣いた
・100万本突破
などがよく使われるフレーズです。

「みんな使っているから、安心して購入できる」と思ってしまうことを利用したキャッチコピーは、わかってはいても心が動いてしまうものです。
私たちは無意識に、「多勢のものを選んだほうが無難だ」=「多勢を選んだ方がまともな人間に思われる」と言うマインドを持っているため、このような心理効果が現れるのです。

意外とこれもバンドワゴン効果を狙ってる

バンドワゴン効果は単純なものばかりではありません。
私たちが気づかないところで、バンドワゴン効果を巧みに利用しています。

例えば、当店の人気ランキングTOP5とかも、バンドワゴン効果を狙っています。

また、バンドワゴン効果は、共通の敵を作ることで、共感や同調する気持ちが働くことも可能になります。
芸能人などへの誹謗中傷なども、バンドワゴン効果と言えます。
共通する意見・価値観をもった仲間ができると、集団としての意識が生まれ、人数が多くなれば多くなるほど、より同調効果が生まれるという具合です。

マスメディアが流す情報は、つまるところ、すべて同調効果を狙ったものであると認識したほうが良いかもしれません。
高齢者の交通事故や、小室圭さんの金銭トラブルなども、印象操作(=バンドワゴン効果(同調効果))を狙った報道だと言われています。

恋愛にも応用可能なバンドワゴン効果

バンドワゴン効果は、ビジネスだけでなく、恋愛でも応用ができます。
例えば、小学校のときの好きな人って、特定の子に集中していませんでしたか?

「私、○○君が好き」と、言った女の子の友達も、「私も好き」という2人以上の人間が好意を寄せていると、
その情報を知ったCさんが「○○君ってかっこいいのかも」という気づきを与えて、Cさんまでもが好きになっていく、という具合です。

ここからもわかるように、自分以外の人も興味・好意を持っているという事実が伝われば、恋愛を有利に運ぶことも可能なのです。

まとめ

ここまで読まれた方なら、バンドワゴン効果がいかに応用できるかが理解いただけたと思います。
バンドワゴン効果が単純でかつわかりやすい内容だからこそ、応用した内容だと、バンドワゴン効果であることすら気づかないことも少なくないのです。

重要なポイントは、バンドワゴン効果は、自分以外の他人が取った行動に影響されます。
さらに、自分自身も同じ意見であれば、バンドワゴン効果は効力を発揮し、人数が多ければ多いほど、効力が増していきます。

また、このバンドワゴン効果の心理バイアスは、人間が本能的にインプットしている能力であるため、相当な客観性を持っていないと、対処できない場合が多いです。
だからこそ、バンドワゴン効果を悪用している事業者も多く、情報弱者を相手に、詐欺に悪用されるケースもあるのです。

応用すれば、人を操作できる可能性がぐっとあがる心理作用だからこそ、しっかりと内容を理解して、マーケティングに活用していただければと思います。

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